S17のスペシャルレートのルールは「レベル1シングル」!
S17スペレについて詳しく知らないという方は、とどりこさん( @todoric0 )が概要や考察材料をまとめたブログを投稿されていますので、先にご覧になることをオススメします。
【考察及び構築経緯】
S17が開幕して数週間経ってから考察を始めた。
まずこのルールで対戦する上で一番大事なのは「すばやさ」だろう。S実数値がほぼ6~8のいずれかで、普通にやれば同速対決が頻発する。どんな相手にも安定して勝つためにはS操作を構築に組み込むことが必須。PGLを見た感じ、強そうなのは「からをやぶる」を覚えるエース、ツボツボやシズクモによる「ねばねばネット」展開、「しんそく」等先制技による優先度での同速拒否辺りだろうか。
そうこう考察しているうちにtwitterのタイムラインで以下の記事を見つけた。
【s17スペレ最高1797】毒ギアル特化スタン - 鋼タイプ学科・ギギギアル学専攻研究所
是非みなさんにも熟読していただきたいが、簡単に言うと、
①ハリーセンで「どくびし」を展開
②ギアルで無限みがまも(HP実数値が11の場合、みがわりの消費HPが2、食べ残しでHP1回復できるのでみがまもでHPが減らないギミック)する
③勝ち!
という構築である。なんだこれ。
しかし実際PGLのランキングを見てみると思った以上に毒菱を踏むポケモンが多い。
↑9/11の使用率ランキング。浮いているポケモンや毒タイプがかなり少ない。
得意なみがまも戦術がめちゃくちゃ強そうじゃん!というわけでこちらの構築を参考にし、自分なりの毒菱嵌め構築を作っていくことに決定。
毒菱展開役として、はがねタイプに打ちたい「でんじは」を両立でき、特性「いかく」も強力なハリーセンを採用。持ち物は行動保証を持たせる「きあいのタスキ」。
次にみがまも嵌め役として、特性「いたずらごころ」で同速拒否しながらHP11で無限みがまもができ、はがねタイプに打点を持てるリオルを採用。持ち物は当然「たべのこし」。
みがまも戦法は特性「スキルリンク」組 に滅法弱いので、「つららばり」「ロックブラスト」に受け出せて、パルシェンをワンパンできたりマヒを撒けたりして強そうなので裏にトゲデマルを採用。持ち物は特性「がんじょう」とシナジーのあるきのみジュース。
表選出はこれで完結していると思ったので、残りの3匹は毒菱展開が厳しい相手に対する対面的な裏選出を用意することにする。
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前述したギアル構築のブログを読んでめちゃくちゃ強そうだと思ったので、しんかのきせきアサナンとヒコウZプテラをそのまま採用。
ラスト1枠ははがねタイプに強く、環境トップメタのコータスを採用。持ち物は「からをやぶる」と相性の良いオレンのみ。
こうして一旦選出が二極化された並びが完成。とりあえず潜ってみるとやはりまだ認知の甘い毒菱展開の刺さりはとても良く、殆どの試合で表選出をしながら高い勝率で1650手前まで到達。しかしそこから一気にリオルが通らなくなり、構築を見直すことに。
裏選出は十分機能しており特にいじる必要はないと判断。ハリーセンもめちゃくちゃ強い。リオルは死に出しのクチートやクレッフィを処理できず、トゲデマルもパルシェンに対して1回しか後出しできないため一度引かれると次のサイクルのパルシェンが受からない点が課題だと感じ、この2匹を修正することに決定。
似たような構築を回していたサッかみ( @scizor_gos )の助言を受け、みがまも役として「どくびし」に加えて「やどりぎのたね」を使うことではがねタイプも嵌めることができ、素早さ実数値8が強力なエルフーンを採用。
パルシェンに受け出す枠として、パルシェンの交代と突っ張り両方に対応するために、「ボルトチェンジ」でパルシェンを確定1発にでき(トゲデマルのとくこうでは倒せなかった)、「おにび」や「でんじは」でエルフーンをサポートできるウォッシュロトムを採用。持ち物は連続技に強いオレンのみ。(コータスにはきのみジュースを持たせた)
この6匹が色々と噛み合ったので、自分なりのどくびし軸のパーティが完成。ほぼ負けることなくレートを1729まで伸ばしたが、この頃環境全体に似たようなどくびし構築が台頭し始め、ハリーセンの順位も23位ほどまで上昇し、分からん殺しの色の強いこの構築は上位プレイヤーにはもう通用しなさそうだと感じたので撤退。
構築名は相手を全然殴らないコンセプトより。
【個体解説】
※実数値が10を超えない能力値に上昇補正をかけても数値が上がらない(下降補正は1下がる)ため、特殊型のこうげきを下げない限り性格は無補正が丸い。
よって以下解説では(実現可能な性格が複数あるので)性格は記載しない。実数値は青字が下降補正、太字が努力値を振った箇所を示す。
13-6-7-7-6-7
でんじは どくびし どくどく なみのり
13-5-7-7-7-8
みがわり まもる やどりぎのたね エナジーボール
ウォッシュロトム@オレンのみ ふゆう
12-5-8-8-7-7
12-6-7-6-6-7
プテラ@ヒコウZ プレッシャー
13-8-7-6-6-8
コータス@きのみジュース ひでり
13-7-8-7-7-6
【構築の要点】
出し負けしにくい初手タスキハリーセンでの豊富なパターンの起点づくり、いかくで補助しつつ毒・麻痺無効盤面からのエルフーンバックで起点づくり要因の保存がしやすく、一度エルフーンを引いたあと再展開が可能。1レベル環境なので軽いデバフでもエルフーン本体での被弾がぐんと楽になる場合が多い。
・無限エルフーン
本構築の一番太い勝ち筋。みがわりの要求HPは3、たべのこしとやどりぎで毎ターン1ずつ回復するため、みがまもしていたらHPが増えていく。どくびしが無くても対面が麻痺していれば麻痺待ちしてやどりぎを撒けば嵌めが展開できる。子ガルーラのほのおのパンチは1ダメージなのでメガガルーラも受かる。Sが8あるのでアサナン(S7)のバレットパンチ等より先にみがわりを貼れる。
エルフーンのワンウェポンをムーンフォースではなくエナジーボールにすることで、スカーフ以外のパルシェンに対面で勝てるようにした(タスキパルシェンならどくびし込みで相打ち)。エルフーンが倒れてパルシェンが居座っている時はつららばりでこだわっている時なので、裏のコータスが安全にからやぶを積める形式にした。
頭一つ抜けたS8ラインからの通りの良いゴッドバードZは等倍でH-Bラインが13-7(ミミッキュとか)や12-8(メガヤミラミとか)まで確定1発。だいちのちから搭載でウインディやクチートなどいかく勢の受け出しも効かないため、1匹+αを持っていく能力が非常に高い。数的有利を取った後は先制技持ちのアサナンや大体なんでも1発耐えるコータスでそれを勝ちへと昇華させていく。
構築の欠点
・連続技がないので相手のみがまも戦術を抜けにくい
・ドーブルとハリーセンが同速なので胞子運ゲーを避けようと思うと選出が歪む(胞子読みエルフーン後出しとかすると太鼓神速だったりする)
最高レート(11/14現在)
【最後に】
特殊ルールを考察するのはやっぱり面白いですね。普段は脚光を浴びないポケモンたちが活躍するのは自分でやっても見てても楽しいです!記事を書いている今日は剣盾発売前日なわけですが、USM環境はいろんなことやり込めてめちゃくちゃ楽しかったので、ガラル環境にも期待しちゃいますね!ガラルでもスペレみたいな特殊なルールがあれば次も是非挑戦していきたいです!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
【special thanks】
一緒に考察してくれたサッかみ